住宅ローンを組んだ方なら、聞いたことのある「住宅ローン減税」。
12月末時点の借入残高の1%~0.7%が、10年~13年に渡り還付される仕組みです。
住宅購入時に、営業の人などに説明されることも多いですね。
3000万円のローンを組んだら、合計210万円(0.7%の場合)還付されますよ!
それだけあれば、繰上げ返済に充てられますね!うちの場合1年目の還付金額は23万円くらいかな。楽しみ~
と思っていたら、全然金額が違いました。
今回は、我が家のケースを元に、
- 勘違いしやすい還付金額
- 思った金額より還付金が少ない?
- 還付金はいつ戻ってくるの?
- ふるさと納税やiDeCo併用の場合はどうなるの?
- 住宅ローン減税と繰上げ返済の関係
などの疑問を解説していきます。
※一般的な会社員が住宅ローン減税を受けた時の場合の説明となります。
住宅ローン減税は思ったより戻り金額が少ない
意外と間違いやすいのが、還付金の戻ってくる方法です。
例えば年末のローン残高3000万円の場合で、0.7%の控除だと仮定すると21万円が年末調整で還付されると思ってしまいませんか?
実はこれ、勘違いです。
確かに住宅ローンを組むと、年末調整で戻ってくる金額が多くなります。ですが、2年目以降は月々の給与から、住民税や所得税も安くなっています。
住宅ローン減税があると、月々の手取りが増えるの⁈
夫の給与が増えたと思ってた。減税期間が終わったら給与減るの?( ノД`)シクシク…
そうなんです。毎月少しずつ戻ってくるので、全ての還付金を貯金しておくのは中々至難の業です。その上、合計いくら戻ってきているか分かりにくいんです。
そして、実際に還付を受けて気づいたのは、思った金額より還付金が少ないということです。
3000万円を借入した場合、320万円ぐらい戻ってくると聞いていましたが、調べた結果、最初に説明を受けた金額は戻ってこないという事が分かりました。
住宅ローン減税の仕組みから説明していきたいと思います。
住宅ローン減税の仕組み
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。毎年末の住宅ローン残高の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます
出典:国土交通省すまい給付金
2022年1月以降に入居する場合は、控除期間13年、控除率0.7%に変更となりました。その他の詳しい、減税条件の詳細は、上記サイトでご確認ください。
実際にいつ、いくら戻ってくる?
何だか複数条件があり、仕組みが難しく感じる住宅ローン控除ですが、
- 1年目は確定申告で年末ローン残高の1%~0.7%が振り込まれる
- 2年目以降は会社員の場合、年末調整と月々の給与から戻ってくる
が基本だと思って大丈夫です。
住宅購入時に対象だとわかれば、あとは初年度に確定申告をするだけです。
1年目の住宅ローン控除は確定申告をしよう
まずは1年目。確定申告をしました。
申請はネットで書類を出力し、郵送しました。項目にそって入力していくだけなので、難しくはありません。
我が家の年末時点でのローン残高から計算し、還付金は23万円だと思いましたが、決定額は10万円程度。
2月中旬に郵送し、振込されたのが1か月後でした。
10万円の内訳は、住宅ローンを組んだ年、給与から天引きされていた所得税の年間合計額でした。
源泉徴収票の『源泉徴収税額』と同じの場合が多いです。
同じ年収でも、扶養人数、その他の控除によって金額は変わってきます。
還付予定の23万円のはずが、10万円しか戻ってきませんでした。
理由は、収めた税金以上は戻ってこないからです。
10万円しか税金を払っていないから、それ以上還付されなかったのか…
所得税から控除仕切れなかった分は、住民税から控除されます。
ただし、住民税は前年の所得に対して課税されるので、住宅ローン減税1年目は所得税だけの控除となります。
じゃあ、2年目はからは、住民税が安くなるから、もっと戻ってくるのね!
2年目以降の還付金額
2年目以降は確定申告の必要はありません。年末調整で会社に『住宅ローン年末残高証明書』を提出するだけです。
住宅ローン年末残高証明書は手続きをしなくても、自宅に郵送されます。お借入先の金融機関によりますので、心配な場合は問い合わせしてみてください。
簡単で楽ちんです。
また、6月には前年の所得に応じて、住民税が決定します。
実際に住宅ローン2年目の6月以降、住民税がガクッと下がりました!また、年末調整で所得税も全額還付されました!でも、両方足しても、やっぱり、予定金額より少ないんです。
その理由は、住民税の控除額上限にありました。
ローンを組んだ時期にもよるので、組んだ日を2021年6月と仮定すると、住民税の控除額上限は年13.65万円です。
じゃあ、年収によっては住民税0円!
と安易に考えていましたが、もう一つ条件があります。
課税所得の7%…。そう、住民税は絶対に0円にならないんです。
住宅ローン減税還付金のモデルケース
下記の表の【1】残高と住宅ローン控除額に注目してください。
・年収500万円(所得税課税所得232.7万円)
(単位:万円)
住宅ローン年末残高 【1】残高×1.0% 所得税額 【2】所得税額+控除対象住民税額 住宅ローン控除額 1年目 2,954.67 29.54 13.52 27.17 27.17 2年目 2,885.94 28.85 13.52 27.17 27.17 3年目 2,816.31 28.16 13.52 27.17 27.17 4年目 2,745.77 27.45 13.52 27.17 27.17 5年目 2,674.30 26.74 13.52 27.17 26.74 出典:SBI住信マネープラザ
4年目までは控除枠を使いきれていません。5年目から枠を使いきっている状態です。
この条件が、年収600万円になると、2年目以降は枠を満額使い切れます。
なるほど、年収600万円で3000万円のローンを組んだ場合は、控除枠を満額使い切れるのね!でも住宅ローンに、ふるさと納税やiDeCoを併用した場合はどうなるの?
ふるさと納税やiDeCoの併用で住宅ローン控除額の上限が変わる
iDeCoは稼いだ額から、掛け金を引いてくれるのね!稼いだ額が少なくなるから、所得税や住民税が安くなる仕組みね!
- iDeCoとふるさと納税で所得税が安くなる(課税所得が下がる)
- 住宅ローン減税で所得税が安くなる
- 1のお陰で、住民税が安くなる
- 更に住宅ローン減税で住民税が安くなる
※住民税の控除額上限を限度に安くなるので、住民税0円にはなりません。
※こちらのサイトを参考にしました。
計算の結果、我が家も住宅ローン減税の枠を満額使用していませんでした。還付方法やルールが複雑すぎて、住宅ローン減税で総額いくら戻ってくるのか分かりません。
色々併用する場合、ふるさと納税は要注意です。シミュレータを充てにし過ぎると危険だという事が分かりました。納税上限より少なめが安全です。
併用の結果、住宅ローン控除の限度額いっぱい使い切っていないということが起きるかも知れませんが、ふるさと納税、iDeCoが損という訳ではありません。
ふるさと納税は品物が手元に残り、iDeCoには受取時の節税メリットもあるからです。
満額控除されないなら繰上げ返済がお得?
確かに投資の利回りが金利を上回ることが多々あります!でも私は、返済を優先します。一番の理由は、借金は無い方が、精神的に楽だからです。
自分の家の価値はご存じですか?
もちろん、今、繰上げ返済なんて無理!という場合は、控除期間を有効に活用してください。貯金の目標額は、まずは1年間の生活費です。それを超えた後で、繰上げ返済を検討すると安心です
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