新築マンションを買うとき、必ず出てくる話が、オプションです。
設備のグレードアップや壁紙の変更はもちろん、早期契約であれば間取りまで変更できます。
またカタログには掲載されていない間取り変更も、工事着工前なら可能です。注文住宅のように全て自由にというわけではありませんが、思っているより自由が利きます。
今回は、60平米、2LDKのコンパクトなマンションを購入し、オプションと設計変更(間取り変更をした時の話です。
3人で生活するには、ちょっと手狭な印象の2LDKを思い切って1LDKに変更しました。
その他、採光や暮らしやすさを考えて、扉やコンセントの増設などを行いました。
実際にかかった合計費用は36万円。
内訳と一緒に、暮らしてみて気づいた、メリット・デメリットを含めてご紹介します。
2LDKから1LDKに間取り変更!
広いリビングは憧れますよね。でも2LDKだと、まずそれは無理です。
そこで思いついたのが、リビングと洋室1の壁を取り払い、可動式の間仕切りに変更するプランです。
- 広いリビングが欲しい➡子供が小さい時と子供独立後だけでもいい
- 子供部屋が欲しい➡思春期の時期だけでOK
子供の成長やライフスタイルに合わせて、部屋を2つに割ることのできるので、可動式間仕切りはおススメです。
可動式間仕切りは、様々な種類がありますが「上吊りフルオープンタイプ」だと、部屋の一体感がより生まれます。
レールがなく、パネルも部屋の端に収めることができます。またパネルを閉めて使用する時は、ドアパネルから開き戸のように出入りできます。
イメージは資材メーカーの「可動間仕切り吊り戸」のページが分かりやすいので、そちらで確かめてください。
建具の費用は高い!
可動式間仕切りのデメリットの1つは、その費用ではないでしょうか?
私が行った間取り変更は
- LDKの壁を抜く
- 上吊り可動式間仕切りに変更
- 扉は全部で5枚
この条件で31万円でした。
初期にプランナーさんから提案されたパターン(一部壁が残って、扉の枚数4万)の場合でも23万円。更に素材をガラスタイプにすると85万円の見積もりでした。
カタログに元々掲載されているオプション工事で、建具変更をともなうものは、どれも10万越えでした。建具関係の工事は高くなりがちです。
可動式間仕切りを使った間取り変更のメリットとデメリット
広々としたリビングを手に入れ、将来の個室問題も解決と、いいことだらけの感じがしますが、もちろんデメリットもあります。
実際に住むまで分からなかった、最大のデメリットは音漏れです。
稼働間仕切りは音を遮断する効果はほぼありません。間仕切りを閉めても上下に若干の隙間があり、音が漏れます。
リビングの会話、テレビの音は、ほぼ聞こえます。
また我が家も隣の家も窓を開けていると、結構声が聞こえてきます。雑音がない状態で耳を澄ませば会話内容まで聞こえてきそうな勢いです。
ただし、隣の家とLDK同士は隣接していません。隣の家の子供部屋と隣接しているので、隣から聞こえる声は限定的です。
我が家の声はLDKの壁がないので、すべて隣の家に聞こえていると思われます。実際にお隣さんに聞いてみると「窓を閉めてたら聞こえませんよ~」と言われました。裏を返せば、開けていると聞こえているということです。
可動式間仕切りを採用した時は、窓を開けっ放しにする季節は気を付ける必要があります。
また、お隣さんと、できればお互いの間取りが、リビングに隣接していない方が、声が気にならないです。
もう1つのデメリットは光漏れです。間仕切りの上下に若干隙間があり、そこから、音と光が漏れます。
リビングで電気をつけていると、どうしても光が漏れるので、寝室として使用する場合で、光や音に敏感であれば寝にくいです。その場合は、家族の生活時間が同じである必要があります。
一方、メリットは、自由に変えられる間取りです。
- 普段は開けっ放し。子供が勉強に集中する時は閉める
- エアコンをつける時は、閉めて、電気代の節約に
- 子供が幼児期は広々と遊べる
こんなハズじゃなかったとならないためにも、メリット、デメリットを理解した上での設置をおススメします。
思わぬデメリットもありましたが、それでも稼働間仕切りを設置して良かったです!広々リビングにしたい時、プライベートを保ちたい時、その日の生活に合わせて変更できるので、やっぱり便利です。家族にも好評です!
LDKと洋室が1部屋になるから気を付ける点
元々、LDKと洋室が1部屋になる前提ではないので、内装がそろっていないことが多々あります。
デザイナーさんも、そこまで注意してくれるかどうかは、分かりません。私は自分で気付いたので、細かく指定をしました。
部屋の間取りにもよりますが、変更した点は
- LDKと洋室1の照明器具の位置
- カーテンボックスの変更
- コンセントの移設
1.LDKと洋室1の照明器具の位置
元々別の部屋なので、照明器具は横一列には並んでいませんでした。それぞれの部屋の最適な場所にデザインされていたと思いますが、一部屋にする場合は、そろえると綺麗です。移動の費用はかかりませんでした。
2.カーテンボックスの変更
元のデザインではLDKにカーテンボックス(カーテンレールが隠れるデザイン)がありました。
窓辺がスッキリしデザイン性抜群ですが、洋室1は普通のカーテンレールだと、アンバランスです。
カーテンボックスを洋室1に作成するか、LDKのカーテンボックスを取るか、どちらかにそろえる必要があります。
洋室1にカーテンボックスを作成する場合は10万円でしたので、両方普通のカーテンレールに変更しました。
カーテンボックスにすると、高めの位置からカーテンを吊るすことになるので、カーテンを購入する時、値段が高くなる可能性もあります。
特にこだわりが無ければ、普通のカーテンレールでも、カーテンを吊るフックの種類をBフックに変更し、カーテンをオーダーすると、吊るしたときに生地が立ち上がりレールが隠れます。
カーテンボックスを中止し、私はネットでカーテンをBフックで注文しました。カーテンを閉めたときスッキリした印象です。因みに元々あったカーテンボックスを中止したので、5千円程安くなりました。ボックスを作成するのに20倍の費用がかかるのに、中止するときは微々たる値引き…
3.コンセントの移設
取り付けなかった壁に、コンセントが2つついていました。
そのコンセントは別の場所に移動させました。移設場所は後程お話します。
デザイン変更で気を付けること
LDKの扉を採光に優れたデザインへ変更
昔ながらの田の字タイプの間取りのため、採光に難があります。
廊下はすべての部屋の扉を閉めると、昼間でも真っ暗に。それを解決するために、リビングの扉のデザインを全面ガラスに変更しました。
変更費用3千円で、廊下が真っ暗にならず、満足度の高い変更でした。
デザイン変更の注意点
デザイン変更する時の注意点は、ガラスの種類です。
もちろん透明のガラスの方が採光に優れていますが、玄関からLDKが丸見えになります。
宅配の人が来たりした時に、透明ガラスだと全て見えます。
乳白色にするとシルエットぐらいしか見えません。また柔らかい光が入ってくるので、乳白色で採光も十分です。
トイレのドアを引き戸に変更
元のデザインの場合、キッチンとトイレの扉は、片開きの標準的なドアでした。もし、同時に開けると干渉します。
「そんなことある?!」って思うかもしれませんが、そういうことも起こります。どの部屋も同じ建具を使用していて、他の間取りでは気にならないからです。
そこまで考えられていないことも多々ありますので、間取り図を眺めながら、実際の生活をイメージしてみてください。
干渉を解決するために、トイレの扉を引き戸へ変更しました。費用は2万円でした。
引き戸にすると音漏れが・・・とちゅうちょされることもあるようですが、リビングは扉を閉めていれば聞こえません。
ただし、洋室2はと壁一枚で隔てているだけなので、水を流す音などは聞こえます。
これは、扉の種類の問題ではなく、間取りの問題です。部屋数に余裕がある場合は、トイレの隣の部屋は、物置として使うなどの対策ができますが、家族の人数分しか部屋がない場合は妥協するしかありません。
コンセントの増設(移設)
LDKの壁にあったコンセントを移設し、クローゼットと洗面所に移設しました。
クローゼットに移設した理由はスティック掃除機の充電です。
スティック型の掃除機を使う予定の場合は、優先度高めです。
充電器を部屋に置きっぱなしより、クローゼットの中の方が見た目がスマートです。
洗面所は、大抵、鏡にコンセントがついていますが、水濡れしやすいので、常にコンセントにさしておくことはできません。
脱衣所でお風呂上りに扇風機やストーブを使うために移設しました。
また浴室乾燥機を使わず洗濯物を乾かす時に、浴室に向けて扇風機を使っています。
浴室乾燥機の電力は1時間当たり32円程度。8キロ洗いの洗濯機にいっぱいの量を干したとき、4時間乾燥させても完璧には乾きません。一方、扇風機の場合は、換気扇の併用で1時間2円程度で半日もつけていれば、ほぼ乾きますよ! またカラッと感が欲しい時は、最後の仕上げに浴室乾燥を使うといいです
ガスオーブンは高い!代わりにコンロのグレードアップ
皆におススメではありませんが、料理好き、パン作り好きの場合は、一度は頭をよぎるガスオーブンの存在。
ガスオーブンって憧れます!火力が強く、余熱時間も短いし、何よりお菓子やパンの焼き上がりが違います!
ただし、オーブン設置費用はオプションで20万弱。高すぎます。そして、その金額に見合った活用ができるのか…
また、食洗機とガスオーブンを導入すると、その分、収納スペースが無くなります。標準的なキッチンサイズでは、鍋などの収納スペースが無くなる可能性が大きいです。
そこで、代替品とおススメなのが、ガスコンロのグレードアップです。
元々ついていたコンロは水なし両面グリルの標準的なものでしたが、それをマルチグリル(ノーリツ)に変更しました。
キャセロールという専用のお鍋をグリルに入れることができます。
- 煮物や炊飯
- 蒸し料理
- パンやクッキー
がグリルで調理できます。メーカーにより、上記のほか、低温調理、無水調理、がグリルでできる機種もあります。
上位機種を選べば、グリルは小さなガスオーブンの役目を果たします。
またトースト機能もあるので、トースターは必要ありません。キッチン家電を減らすことができます。
専用鍋に蓋がついているので、パン焼きがオーブンより手軽になりました。
パン焼きの時短テク*成形後の発酵をグリルで行う(専用鍋に生地を並べてグリルにイン。点火して3分、そのまま放置して発酵)→発酵後そのまま焼く
他にも、成形後、専用鍋に入れ、そのまま一晩冷蔵庫で低温発酵させ、翌朝出来立てのパンを食べる! 蓋があるのでできるテクです!
カタログに載っているオプションではありませんし、万人受けする仕様変更ではありませんが、料理好きの方には、ぜひおすすめしたいです。
費用はグレードアップの差額の27,000万でした。実際の販売価格との差額より、グレードアップの方が割高でした。
ただし、ガスオーブンに比べると割安なので、料理が好きなら、試す価値大です。
まとめ
カタログに載っていないオプションや仕様変更も可能なので、積極的に相談してみてください。
特に、壁を取り払うなどの工事を伴うものは、完成後に行うより、デベロッパーに頼んだ方が割安です。取り払って稼働扉をつけるとなると、天井の補強工事などが必要なので、後から自分で別の業者にお願いするのは非効率で割高です。
逆に、カーテンやエアコン設置などは自分で手配をした方が圧倒的に安いです。
マンション契約後にある「オプション会」で色々案内されますが、費用面で判断するなら自分で手配が安くなります。
長くなるので「オプション会」で必要なもの不要なものお話は、また次回にします。
一度、購入した家には長期間住むことになります。
そして、住宅に充てられる資金には限りがあります。
マンション購入時は金銭感覚がマヒしがちですが、今の生活スタイルだけではなく、子供の独立後の生活も一度はイメージをして、自分に本当に必要なオプションを選んでくださいね。
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