コロナ禍にマンションを購入した我が家。
コロナが起きる前に契約し、コロナ禍に入居をしました。
初めてのマイホーム購入に、まさかのコロナ。
この先どうなるのか不透明な状況で、本当に購入して大丈夫なのか?不安と迷いの中、マンション購入の大きな決断をしました。
ローンを組む夫の年収は当時400万円代。
普通の会社員が、地方都市で資産価値低めの郊外型マンションを購入したお話です。
個人的な価値観の話になりますが、こんな考えもあるんだなぐらいの感覚でお付き合いください。
住宅購入までの経緯
まず初めに住宅購入時の我が家の状況です。
この記事を書いているサトです。時短勤務で当時働いていて、月の手取り額は15万円程度でしたが、現在は扶養枠内で働いています。
当時の年収400万円後半でした。月の手取りは22万円ぐらいでした。普段から残業がなく、月収はいつも同じです。
子供が生まれ、保育園が沢山ある駅前の賃貸で暮らしていました。
築年数は20年越えでしたが、駅まで徒歩3分でお値段控えめ。
通勤も買い物も病院も全てそろった環境で満足していました。
デメリットは自宅の周囲は居酒屋やパチンコ店もある商業地で、公園や緑が少なかったです。
保育園時代は賃貸で、小学校に上がる前に家を購入しようと、何となく考えていましたが、決定的に駅前が嫌になった瞬間が隣のビルの工事。
6年間駅前に住みましたが、その間、自宅周囲ではビルの建て替え工事がどこかで必ず行われていました。ずっと騒音続きでしたが、隣の一軒家がビルの建て替えが始まり、日当たりが悪くなり日中は真っ暗。
日当たりの悪さに耐え切れなくなったのが、自宅購入のきっかけでした。
初めは身の丈にあった、中古マンションを希望していました。
1年ぐらいかけて、気になった物件は見学にいきました。
当初の条件は
- 最寄り駅から徒歩10分以内の資産価値高めのマンション
- 築年数は15年以内
- 広さ70平米以上
- 物件価格2500万円くらいでリノベーションする
この条件で検索をかけても出てきませんでした。地方都市でも駅前の中古物件でも、何かを妥協しないといけませんでした。
条件を妥協しながら1年ほど色々な物件を見て回りました。
- 最寄り駅25分、丘の上のリフォーム済み中古一軒家→場所見た目も場所もテンション上がらずお見送り。
込み入った土地の住宅街で、夜には人けがなくなりそうな土地でした。駅前の喧騒は嫌でしたが、人けが無さ過ぎて防犯面も心配でした
- 最寄り駅30分、築18年の2500万円の中古マンション→小学校が遠すぎる。マンションに特徴がなく魅力を感じなかった
いい意味でも悪い意味でも特徴のない普通のマンションでした。内装も一昔前の設備で場所も微妙。もし自分が売る側になった時、何か押せるポイントが必要だと感じました。
- 最寄り駅30分、築20年の2100万円の中古マンション→専用庭付きで、公園前で住環境は◎。でも室内のリノベーションにお金がかかりそうで断念
この頃になると自分たちが欲しい物件が分かるようになってきました。このマンションは結構よかったのですが、庭の隣にある擁壁(がけ)の存在が一番気になりました。1階だったので、万が一崩れてきた時に助かる気がしませんでした。
という感じで、気になった物件を見ながら、自分たちの求める条件を探っていきました。
妥協しながら最後に出会った中古物件は、駅近、築年数○、広さ◎、価格3000万円でかなりいい条件でした。
物件もかなり魅力的でしたが、これから大規模修繕が始まる状態の小規模マンションだと、今後の修繕費などの負担も気になります。
また、3000万円出せばリフォームは出来なくなります。
いくら状態が良くても、壁紙の張替えや自分が気に入った設備を入れたかったので、予算をかなりオーバーしてしまいます。
相場より高かったので2800万円なら購入すると交渉しましたが、話がまとまらずこの物件を見送ることにしました。これからどうしようかな?と思っている時に、郊外型大規模新築マンションの広告に目が留まりました。
最寄り駅まで徒歩20分はあり得ないと思っていましたが、モデルルームに散歩がてら行ってみました。
駅前の喧騒に疲れていたので、緑の多い住環境に惹かれました。
安い部屋なら何とか予算以内の3000万円程度。
中古マンションと違い、キッチン、床暖房、浴室乾燥機など設備面はもちろん希望通り。間取りは2LDKで60平米でしたが、今の家より大きくなるし、3人家族なので暮らせる範囲。
前回の駅近中古マンションより資産価値は低いとは分かっていましたが、自分たちが3000万円払いたい物件は新築マンションの方でした。
完成は1年以上先で、見学から1週間で購入を決めてしまいました。
こうして、コロナ前に契約を済ませた我が家。
この後、コロナが始まり不安が襲います。
コロナでよぎった購入キャンセル
誰も予想しなかったコロナ。
結局コロナ真っ最中に打ち合わせ、オプション会への参加、家具家電の購入、ローン契約、引き渡し、引っ越しと、契約から引っ越しまで不安を感じつつも流れに身をゆだねていきました。
もちろん途中でキャンセルも頭をよぎりました。私は既に退職申告済みでしたし、世帯年収が下がるのは決まっていました。
その上、もし夫の年収が下がったら?
それまでも35年ローンを払い続けることへの不安はありましたが、よりリアルに感じることになりました。
コロナを誰も予想しなかったように、この先も安定した収入を得られるのかは誰にも分かりません。
幸いなことにコロナで金銭的な影響はありませんでしたが、返済期間中に、予想しなかったトラブルが起きるかも知れないと身構えることは大切だと感じました。
契約後に不安な状況になってしまいましたが、やってて良かったと感じた事が3つあります。
- 資産価値を求めすぎて多額のローンを組まない
- 手付金は交渉する
- 頭金の準備をする
資金に余裕がないなら、資産価値にこだわりすぎない
最近、家の資産価値について話をよく聞きます。
駅近の物件で資産価値の落ちない物件を選ぶのは常識のような風潮です。
でも平均年収の普通の会社員が、5000万円以上の物件を買うのは無謀ではないでしょうか?
実際は年収500万円程度あれば、変動金利で5000万円ぐらい借入できる可能性もありますし、夫婦でペアローンを組んで資金を確保することも可能です。
でも、金融機関が貸してくれたとしても、長期間に渡って、返済し続けることが出来るかは別問題です。
資産価値が高ければ、いざとなれば自宅を売却すればいいという考えもありますが、地方都市の場合、いつまでも物件価格が値上がりするとも限りません。
いくら駅近でも築年数35年以上では、現時点でも買い手がなかなかつきにくい状態でした。実際にサイトには古いマンションが溢れています。
中古なら手の届く範囲でも、もし売ろうとした時には、それなりの築年数が経過しています。売る時の情勢は分かりませんが、少なくとも住もうする地域の現状を見ることは大切です。
色々踏まえると普通の会社員が問題なく支払える金額だと、結果、郊外に住むしかありません。
投資ではなく自分たちが住む家なので、一番は自分たちの満足度だと考えを改めて家探しを始めました。
いつまでも資産価値にこだわっていたら、今も家は買っていなかったか、多額のローンに苦しんでいたかのどちらかだと思います。
因みに我が家は長く住むことを前提に、最終的に重視した住環境は7つ。
- 職場まで近く、公共の交通機関も利用できる
- スーパー、ドラックストア、100均が徒歩圏内
- 公園など自然を感じる場所はあるか?
- スーパーや公園の利用者層が自分たちに合っているか?
- 災害に強い土地(断層、水害、埋め立て地、がけ×)
- 防犯面は大丈夫か?(地域の防犯情報をチェック)
- 日当たり
4、5、6は実際にマンション計画地の周辺を歩いてチェックしました。
7の日当たりだけは、希望通りとまでは行きませんでしたので、こちらは妥協しました。
日当たりに不満があったのがきっかけで、家探しを始めましたが、最終的に妥協したのが日当たりでした。住んで数年、やっぱりその点は今も気になります。
新築で買った我が家も、築数年経過し、マンションを売りに出す人も出てきました。
サイトで価格をチェックすると、今のところ大きく価格新築当時と変わっていません。
結局、駅前の物件を買えない層が郊外に流れてくるので、現時点では買い手がいるようです。
手付金は交渉するのが正解
物件を購入する時に一番最初に動く大きな金額が手付金です。
これは契約時に払うので、完成がまだ先の物件でも、契約時に支払う必要があります。
手付金はのちに代金の一部に充当されるので、払い損ということはありません。
ただし、自ら購入キャンセルした場合は戻ってこない金額になります。
手付金は物件価格の5~10%が相場です。
我が家の場合は交渉して80万に抑えていました。
すみませんが、マンション購入はまだ先だと思っていたので、定期預金に頭金を入れています。普段の生活もあるので、今、準備できるのは80万円が限度なのですが、難しいですか?
こんな感じで、交渉してみました。
万が一キャンセルする場合は戻ってこないお金なので、できるだけ抑えておきたかったので、事実を元に脚色し説明しました。
他にも、過去に中古物件を買おうとした時にローン審査を通っていて、資金面で問題ない事をアピールしました。
結果、要望が通りました。
コロナが始まり一時期キャンセルも頭をよぎりました。
結局キャンセルはしませんでしたが、いざとなればキャンセルの選択が出来る金額に抑えていたのは心の支えになりました。
やっぱり頭金は必要。手持ち資金無しはつらい
物件を見学に行くと住宅ローンのシミュレーションを見せてくれます。
頭金なしでも購入できますよと言われますが、やっぱり年収が高くないほど頭金は必要です。
我が家は頭金を入れ2400万円の借入をし、管理費などを含み月々8万円の返済をしています。
生活ぶりはこちらでご確認ください。
もう少し借入できたと思いますが、この家に満足していますし、生活にまだ余裕があるので安心して生活しています。
もし、夫婦共にフルタイム勤務でしか返済できない金額だと、万が一が起きた時精神的につらいと思い、片働きでも暮らせる状況にしています。
また、安心を買うために固定金利のフラット35を選択しました。
変動金利の金利は魅力的でしたが、絶対に返せるだろう金額が見えている方が安心出来ました。
もし夫婦共に正社員で10年程度で返済できる目途があるなら、変動金利を選択していました。
頭金が必須な理由
資産価値低めの物件は、特に頭金を出すのが基本です。
3000万円の住宅をフルローンで購入したとします。
もし、何らかの理由でローンが払えなくなった時は、自宅を売却することになります。
その際、資産価値低めの物件は、購入価格より価値が下がります。
仮に住宅ローン残高2800万円だとし、物件の価格が2500万円となった時、300万円の負債だけが手元に残ります。
頭金を入れていれば、この最悪な状態を避けることができるかも知れません。
住宅購入時に万が一の想定ばかりでは、なかなか購入の決断が出来なくなりますが、頭金を入れる力がある=返済能力が高いと金融機関からも見なされます。
ローン審査にも通りやすくなりますし、金利も有利になります。
頭金を入れるなら投資に回すなどの考えもあるとは思いますが、平均年収前後でで暮らしていると日々の生活費を優先していると思います。
そんな状況だからこそ、住宅購入前から少しでも貯蓄できる余裕がないと、購入後、万が一に対応できないかも知れないリスクを負うことになります。
それは固定金利は高いからと、変動金利でしか住宅購入できないと考えている場合も同じです。
ある程度余裕のある資金計画が、その後の生活のゆとりに繋がります。
残業が含まれない年収を把握するのも大切です。不景気になった時、残業代はカットされがちです。年収に残業が締める割合が多い場合は、カットされた場合どうなるのか一度確認してみてください。
老後も住宅ローンを返済している実家の話し
私の安心を買いたい性格は、実家の状況を見て育ったのが影響しています。
実家は好景気の時に建てられました。将来の生活に今ほど不安がなかった時代でした。
その後、日本全体が長い不景気の時代を迎えました。
不景気のあおりや想定外の子供の進学で出費が重なり、何度も返済できない危機を迎えています。
途中で返済期間を延長したりで、父が70歳を超えた今でも住宅ローンを返済しています。
返済が伸びているのは、私の教育費のせいもあります。今でも両親には苦労をかけて、申し訳ないです。
でも、不景気も教育費が思ったよりかかるのも、よくある話です。
知り合いも公立に行かせる予定でしたが、子供の希望で私立に進学し、教育費が予定外にかかって大変だと言っています。
子供が小さい時に家を買うので、教育費のことまで考えて購入するのは、なかなか至難の業です。
返済中に不景気に見舞われることもあり得ます。ここ数十年でもリーマンショックやコロナなどを迎えています。
想定外は起きるからこそ、購入時に頭金を入れたりなどで、さけれるリスクはさけたいと日頃から強く感じていました。
好景気の時に家を買うと、返済について向き合うことが疎かになりがちです。
私は悪い状況の中、マイホーム購入に踏み切りましたが、こんな時代の今だからこそ、より返済計画に向き合うことができたと思います。
親子共倒れにならないよう、今後も繰上げ返済目指していきたいと思います。
まとめ
物件を購入する時、私自身が色々迷うことが多く、他の人の決断ポイントを聞いてみたかったので、今回記事にしました。
人それぞれ価値観があるので、この話が全員に当てはまるわけではないと思います。
でも、自分が大切にするポイントや価値観を明確にし、迷った時はそれを思い出すことが大切だと購入を通じて感じました。
納得できるマイホーム購入に向けて、参考になれば幸いです。
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